先生は溺愛ダンナさま  旅行編
興味の無さそうな彼の生返事。


いまの彼の頭の中には他のことなんて入る余地が無いみたい。


壊れものを抱くように大切に触れられ胸がきゅうんとする。


私も彼の背中に腕を回して抱きついた。


「上野さんて女の人がきてたよ」


「・・・そう」


あれ、今一瞬沈黙があったような。


それに彼の動きが止まり、おやってなる。


「理人さん?」


彼の顔を両手で挟んでジイッと見つめる。


その顔は頬が紅潮していて綺麗な瞳には私が映っている。


「上野さんてどういう関係の人ですか?」


「え、大学の友達だけど」


彼が真っ直ぐ私の目を見返して答えるから、少しホッとする。

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