先生は溺愛ダンナさま  旅行編
「それだけですか?」


「うん、すみれどうして敬語?」


クスッと笑って今度は私の両手をシーツに押しつけて動けなくする彼。


その余裕の表情からは、やましいところがあるようには感じなかった。


「ほんとに?」


しつこく聞いてしまうけど、実は私だってもうこんなつまらない話はしたくなかった。


こんな風にベッドで彼に甘く見下ろされたら余計なことなんてもうなんにも考えたくない。早く彼の体温に溺れてしまいたい。


「うん」


この大切な時間をゆっくりと堪能したい。


だって愛し合う私達にとっては、こうして触れ合うことはかけがえの無い確認作業なんだから。


言葉では伝え切れないほどの愛を、彼は私の心と体に刻んでくれるの。

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