先生は溺愛ダンナさま  旅行編
先生は穏やかにふんわりと笑う。

「は、はあ」


先生の眼差しは吸い込まれそうなくらいに優しくて、頭の芯がぼうっとする。


面白い子か、じゃあ私は違うかな。私ってどちらかというとおしとやかなタイプだもんね。


「先生、私やっぱり先生のことが好きです」


意を決して何回めかの愛の告白をした。


恥ずかしいより何よりも大好きな彼を前にすると自然に言葉がこぼれてくる。


彼への気持ちはどうしたって止められない。


「ああ、どーも、僕も好きだよ。生徒のことはみんな」


涼しい顔で答えて立ち去ろうとする先生。

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