先生は溺愛ダンナさま  旅行編
別に嫌いで別れたわけじゃ無いってことは、まだ少しは未練とかあったりするのかな。


私が高校生の時に、彼に拒絶されたのはその人がいたから?


なんて、悪い方へばかり考えてため息ばかりついてしまう。


カフェの隅に座った私は、窓から外をぼんやり見て途方に暮れていた。


ホテルに入ってくるタクシーや、出て行くタクシー、マイカーで来ている家族連れ。


ああ、みんな楽しそうだな。


ふと歩いてホテルに入ってくる仲の良さそうな老夫婦に目がいく。

 
旅行が好きそうな2人。手慣れた様子でホテルの従業員と言葉を交わしている。


背が高くて背筋の伸びたおじいさんはどこか凛とした雰囲気。

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