先生は溺愛ダンナさま 旅行編
目を閉じたままの理人さんが小さく寝言を言うと隣の女性が彼の手を握る。
さっき私に彼の昔の彼女のことを吹き込んできた派手めな女性。
「どうしたの?理人さん」
私の声真似をするように猫撫で声で彼にしなだれかかろうとする。
彼女もかなり酔っているみたい、だけどこのまま夫へのボディタッチを許すわけにはいかない。
すかさず彼女と理人さんの間に割って入って、凄まじい勢いで睨みつける。
まさにガルルルーって噛みつかんばかりにまくしたてた。
「私の理人さんに触らないで」
ポカンと口を開けている彼女を尻目に今度は、背中をさすっていた女性の手を軽くはたいた。
「ほらあなたもっ。もう大丈夫ですから夫に近づかないで」