先生は溺愛ダンナさま  旅行編
「えーっ、いいじゃない少しくらい」


顔を赤くしたその人もやはり悪酔いしている様子。


「うるさいですよ、この酔っ払いのお姉さんたち。いい大人なんだからしっかりしてください」


呆れかえって言い返すけど、ブーブー文句を言われる。


「久々に会えたんだからちょっとくらい貸してよ」


「そうよ、減るもんじゃないでしょ」


酔いに任せて、なんて言い草だろう。


ああ、もうこんなひと達まともに相手にしていられない。


「理人さん、起きて部屋に帰るよ。歩ける?理人さん」


彼の肩をゆすって起こそうとするけど、ムニャムニャ言って全然目覚める気配がない。


「理人くん、私と朝まで飲もうよー」


またまた派手めな女性が手を伸ばしてくるので、すかさず夫を守る。


「飲みませんっ」

< 64 / 82 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop