先生は溺愛ダンナさま  旅行編
ミナさんも最後に小さく笑ってこんなことを言う。


「お幸せにね」


「あ、はい。ありがとうございました」


ふんわり笑う彼女はとても魅力的な人に見えたから、もしかしたら彼の昔の彼女じゃないかなんて邪推してしまったんだっけ。


だけどそうじゃなかった。そのことがなぜだかホッとしてしまう。


本当の元カノは今日は来ていないし、どんな人なのかはわからないけれど、私にはなぜだかミナさんの方がずっと強敵に思えたんだ。


でも今はそんなことを考えてる場合じゃない。


「さて、旦那さまは大丈夫かな」


腕まくりして彼の介抱に取り掛かる。


「理人さん大丈夫?もうこのまま寝てもいいけど、お着替えだけして」


「う・・ん。すみれ?」

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