逆転結婚~ブサイクだって結婚したい~
忍はとりあえず樹利亜に電話をかけて見た
何度かかけたが、樹利亜は電話に出なかった。
数回目に電話をかけた時、やっと電話に出た樹利亜。
「あ、樹利亜? 今、話せる? 」
(はい・・・)
「今日、大切な話があるから。19時までには帰ってきてくれ」
(…仕事が…)
「仕事よりも大切なのは、家族だ! 」
(…はい…)
小さく返事をする樹利亜。
ちょっと強引だったか?
そう思った忍だが、樹利亜はきっと強引なくらいじゃないと言う事を聞かないだろうと思った。
そして夜になり。
樹利亜は約束通り19時には帰ってきた。
「お帰り樹利亜」
約束通り帰ってきた樹利亜に、忍は優しく微笑んだ。
「とりあえず疲れただろう? 先に風呂入ってこい」
そっと、樹利亜の頭を撫でてくれる忍。
言われた通り樹利亜は先にお風呂に入る事にした。
浴室に向かうと、とてもいい香りがした。
入浴剤が入っているようだ。
久ぶりに早く帰ってきた樹利亜は、ゆっくりお風呂に入る事が出来てちょっとホッとしていた。
入浴剤が心地よく、疲れも癒されるようだった。
樹利亜がお風呂から上がって来ると、夕食が用意されていた。
今日の夕食はみんなで食べれる鍋だった。
野菜と鶏肉が沢山入っている美味しそうな鍋。
「樹利亜ちゃん、座って」
希歩が樹利亜を椅子に座らせた。
「今日は樹利亜ちゃんもいるから、みんなで食べれる鍋にしたの。野菜もたっぷり入っていて、お魚と鶏肉を入れたから、コラーゲンも沢山よ」
そう言いながら、希歩がおわんに具材を取ってくれた。
「はい、沢山食べてね」
温かくて美味しそうな具材に、樹利亜の表情もほころんだ。
「頂きます…」
ゆっくりと食べ始める樹利亜。