逆転結婚~ブサイクだって結婚したい~
「ねぇ。今夜、待っているわ。駅前のシティーホテルの前で、20時に。必ず来てね、樹利亜の父親の為にも。社長さんに、人命がかかっているのよ。楽しみにしているわ。私、社長さんほどの年の離れた人と、セックスするの初めてだから」
クスッと怪しい笑みを浮かべて、芹亜は立ちあがった。
「それじゃあ、待っているわね」
気持ち悪い笑みを浮かべて、芹亜は去って行った。
恐怖から解放された優輝は、大きく息をついた。
しばらく動けないまま、優輝は座ったまま茫然としていた。
「…さん…」
微かに誰かの呼ぶ声がして、優輝は我を取り戻してハッとなった。
振り向くと忍が居た。
「父さん? どうかしたの? 」
「あ…いや…」
「何度か呼んだけど、返事もしないから。何かあったの? 」
「…さっき…樹利亜ちゃんのお姉さんが来て…」
「え? お姉さんって、芹亜って人? 」
「ああ」
「それで、何か言われたのか? 」
優輝はため息をついた。