逆転結婚~ブサイクだって結婚したい~

「あんた、良く見ると。社長より、いい男よね? 」


 スーッと指で、芹亜は忍の首筋をなぞった。

 そして忍のジャケットを脱がせて、ネクタイを緩め、シャツのボタンを外してゆく…。

「恋人じゃないから、キスはしないわ」


 と、言いながら芹亜は忍の股間に触れた。


「先に、私が慰めてあげた方がいいのかしら? 」

 
 いやらしい手つきで触れる芹亜だが…。


「ん? 」

 
 平然としている忍を見て、芹亜はちょっと驚いた目をした。


「あんた、感じないの? 」


 聞かれて忍はクスッと笑った。


「残念だな。俺、ちょっと特殊でさぁ。ハートが感じないと、ぜーんぜん起たないんだ」

「はぁ? なにそれ、ED? 」

「さぁなっ。遺伝じゃねぇの? 俺の父さんも、お爺さんも、そうだったみたいだし」

「そう…」


 ちょっとつまらないような顔をして、芹亜は忍から離れた。

 そして、バッグを手に取った。


 忍はチラッと芹亜の様子を見た。


 芹亜はバッグの中の何かを探しているようだ。

 しかし見つからない様で、ちょっとイライラしている。



「探しているのって、もしかしてこれ? 」

  
 ん? と、芹亜が見ると、忍が注射器を手にしていた。

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