逆転結婚~ブサイクだって結婚したい~
芹亜は肥満体質で、水を飲んだだけでも太る傾向が強く小学生の時から太ってきて、食事を減らしても痩せなく、顔はいつも浮腫んで二重顎で、目も浮腫んで、鼻はだんご状態で、唇はタラコの様で、いつも周りから「ブサイク」と言われいじめの対象にもなっていた。
そんな芹亜に家族は優しくしていたが、それでは満足しない芹亜は憎しみを募らせてゆくばかりだった。
樹利亜は中学になると、とても綺麗な顔立ちに周りが驚くほどで、みんなが優しくしてくれて、交際の申し込みが絶えないくらいだった。
博一も樹利亜に同僚の面影を感じているくらいで、特別な意識はなかったかが、どこか違う目で見ていた。
雲泥の差がある芹亜と樹利亜。
芹亜は「ブサイク」と言われながらも医師への道を目指して、医大へ進みストレートで医師免許を取得して28歳で一人前になった。
樹利亜は別の道を目指し、芹亜とはすれ違いの生活をしていた。
そんなある日。
芹亜が休みの日に母親が急死した。
死因は「心不全」だった。
近頃は体調が良くないと言って、弱っていた母親だったが、突然の母親の死に博一も樹利亜もかなりのショックを受けていた。
芹亜も悲しんでいたが、それほどでもないようだった。
母親の死から1週間後。
博一は、いつも食卓の調味料の中に赤い瓶が置いてあることに気づいて、不信感を抱き中身を調べてみた。
すると中身から、毒薬が検出された。
驚いた博一は、その瓶をもう一度調べようとしたが、既になくなっていた。
毒薬なんて誰が手にできる? と考えた時、博一は芹亜を思い浮かべた。
芹亜は医師であり、薬には詳しい。
どのくらいの量で死亡するのか、良く知っている筈。
思い返してみると、芹亜はよく母親とよく喧嘩をしていた。
その度に母親が体調を崩していたのも確かだった。