逆転結婚~ブサイクだって結婚したい~

 その頃。

 優輝と希歩は、樹利亜が見つかり忍と再会した事を聞いてとても喜んでいた。


 樹利亜が帰ってきたら、思い切り抱きしめてあげようと希歩は思っていた


 離婚も取り下げて。

 そして…赤ちゃんを授かった事も聞いて。


 優輝も希歩も、喜びがいっぱいで感動していた。



 2人が帰って来るのを、今か今かと待っている優輝と希歩。


「良かった、樹利亜ちゃんが忍との離婚やめてくれて」


 食卓の椅子に座ってお茶を飲んでいる優輝と希歩。


「ああ、僕もホッとしているよ」

「私初めから、樹利亜ちゃんの顔が何か違うって気づいていたから。でも、本当に樹利亜ちゃんが、あのままの顔でずっと辛い思いをするなら。私は、整形してもいいって思っていたの」

「そうだね。辛い思いをするなら、それを捨てる事だって必要だから。でも、奇跡が起こったんだろう? 」

「ええ、とっても素敵な奇跡がね」



 ガチャッと、玄関の開く音がした。

「帰ってきたようだね」

「ええ」




 優輝と希歩は玄関に向かった。




 玄関には、忍と樹利亜がいた。



 優輝は樹利亜を見ると、嬉しくて思わずギュッと抱きしめてしまった。

「お帰り、樹利亜ちゃん…。無事でよかった」

「…ご迷惑をおかけして、すみませんでした」

「全然、そんな事気にしなくていいから。それより…」


 優輝は樹利亜をじっと見つめた。


「良かったね樹利亜ちゃん。本当の顔に戻れて」

「はい、私も本当にびっくりしています」

「奇跡が起こった。ただそれだけだよ」

「はい、そうでね」


 
「ちょっと父さん、いつまで樹利亜に抱き着いているの? 」


 ちょと怒ったように忍が言った。


「あ、ごめん、ごめん」

 優輝は慌てて樹利亜から離れた。


「全く父さんは、相変わらずだから。母さんが傍に居るのにさっ」

「えっ…」


 チラッと優輝は希歩を見た。


 希歩はちょと呆れたように笑っていた。

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