【完】ねぇ、もっと俺に甘えてよ?
*潜んだ悪魔
晴れ渡った火曜日の朝。
「じゃあ、先に行ってる」
学校に着くなり上履きに履き替えた葵くんが先に教室へ向かった。
二人同時に欠席した次の日に一緒に教室に入れば、変に勘ぐる人だっているかもしれないから、らしい……。
「……うん!ちょっとしてから私も教室に行くよ」
そこまで慎重にならなくてもとは思ったけど、犯人がどこで見ているかわからないこともあって、葵くんの言う通りにする。
「もう風邪は良くなった?」
……と、そこへ。
葵くんが先に階段へ登っていき姿が見えなくなった直後。
「八雲先生……。は、はい。もう熱も下がりました」
もしかして、今のやりとり見られてた……?