【完】ねぇ、もっと俺に甘えてよ?


「空手………黒帯………」



ムキムキじゃないけどかなり強いってことがそれだけでわかってしまう。



「だから安心してよ。栄一さんとは知り合いだし、ちゃんと顔見て話しもしてきたから」


「……だから、なんで知ってるの?私のお父さんのこと」


「それは機密事項」


「機密!?なんで……?私には知る権利があると思う!」



一体いつお父さんに会ったのよ。


ふたりが知り合いだなんて全く聞いたこともないのに。


そもそも、どういった経緯でこうなったっていうんだ。


答えてくれない葵くんはキョロキョロ家の中を見回した。


そして、その視線は再び私でピタリと止まる。

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