【完】ねぇ、もっと俺に甘えてよ?
*苦くて甘い独占欲
* * *
放課後は気温も上昇して晴れていた。
ここ最近じゃ一番の快晴だと思う。
そんな中、今日も体育祭の練習が始まった。
ダンス練習へ行く前、
「そういえば、空が作ったカップケーキ一個多くなかった?」
海ちゃんがハチマキをしながら私に聞いてきた。
ギクリ……。
そうなのだ。
海ちゃんの言う通り、調理実習で私はカップケーキを一個多く作った。
「えーと、アレはその、いつものお礼にって思って……」
「お礼って、まさか同棲中のゴリマッチョに渡すの!?」
他の人には聞こえないようにヒソヒソ声で言ってくる海ちゃんだけど、鼻息が荒すぎて私の髪を揺らしてくる。
なんで海ちゃんがそんな興奮してるのよ。
……しかも、当たってるっちゃ当たってる。