【完】ねぇ、もっと俺に甘えてよ?
「だから、同居人ね!?ずっと護衛してくれてるし、それで……」
いつものお礼っていうのももちろんあるけれど、この前風邪をひいた時、葵くんのイチゴゼリーを食べちゃったから……。
「へぇ。なるほどねぇ?空ってば、ゴリマッチョがタイプだったなんてね」
「海ちゃんその言い方は語弊(ごへい)があるって!」
「まぁ、せっかく作ったんだからちゃんと渡すのよ?受け取ってくれなかったら、わたしが食べてあげるからさ!」
その頃には期限は大丈夫なんだろうか?
てか海ちゃん、試食でも誰よりも食べてたのにまさかまだ食べたかったの……?
「胃袋無限大だからまかせてよ」
殺気すら感じる海ちゃんの真顔にコクコクと頷いた。
そして、やる気満々の海ちゃんは練習へ駆け出していった。
「それって糖分高め?」
「……っ!?」
海ちゃんの背中を見送っていると、すかさず背後から声が飛んできた。