【完】ねぇ、もっと俺に甘えてよ?
「妹の美雨。これでどう?」
「すっごく可愛い……!!て。いや、可愛いけど……ちょ、ちょっと待って……!?葵くんに妹がいるっていう解釈でいいんだよね!?」
「だからそうだって。彼女って、なに言ってんだよ」
「んっ……!」
葵くんが私のおでこをピシッと指で弾いた。
全然痛くないけれど、急に罰が悪くなり葵くんから目を逸らす。
「ご、ごめんなさい……」
謝りつつも、葵くんに妹がいるなんて予想の斜め上をいきすぎる事実に驚きを隠せなかった。
「別に謝んなくていいよ。俺も話してなかったから」
「全然知らないのに、いきなり私ってば……本当にごめんね……」
スマホを戻すと葵くんは私の方へ向き直る。
「まだ8歳で、俺がいなくて寂しがってる。甘えたで、いつもひっついてくんの。だから時々電話してやんないとな?」
葵くんはお兄ちゃんらしい顔をして話してくれた。