【完】ねぇ、もっと俺に甘えてよ?
*みんなには内緒
次の日の朝。
私は早速、護衛である葵くんに驚かされることになる。
「……の、」
ん~~、まだ眠いってば、お母さん~。
「……起きろって」
まどろみの中に誰かの声が舞い込んできたような気がする。
なんとか重い瞼を開こうとしてもすぐには完全に開きそうもない。
もうちょっとくらい寝かせてよ。
「ったく……」
布団が気持ちい……。
再び意識を手放しそうになる、寸前。
────トンッ
耳元にはっきりと響いた音。
そして微かに身体に伝わってきた振動。
パチリ、と私はようやくそこで目が覚めた。