【完】ねぇ、もっと俺に甘えてよ?
てっきり風谷くんから聞いてるのかなって思ってたんだけど。
「へぇ」
葵くんはいぶかしげな表情でジーっと風谷を見ている。
「……ちょ、ちょっと待て陽向!俺は余計なことは言ってないつもりだぞ!?」
「本当に?」
「当たり前だろ!?だいたい陽向こそ、なんも話してくんねぇじゃん!」
ムッと唇をとがらせる風谷くん。
「全部終わったら雷にも話すって言ったろ」
「それ、本当だろうな?」
風谷くんは確かめるようにして葵くんに詰め寄る。
「俺が嘘ついたことある?」
「それはないけど……でも。マジで危ないことに関わったりしてないのか……?」