【完】ねぇ、もっと俺に甘えてよ?
風谷くんは、葵くんのことが心配なんだって言っていたよね。
ずっと一緒にいた大事な幼なじみだもん。
「きっと、美雨ちゃんも寂しがってるぞ」
「わかってるよ。帰ったらとびきり甘やかすつもり。心配してくれてありがとな」
「っ、心配に決まってんだろ!雨野だって……この前……体育倉庫であんなことされて」
風谷くんの言葉に私は唇を噛んだ。
自分のせいで、葵くんを大切に思う人にまで心配をかけてしまっている……。
「雷。これは俺が決めたことだから」
強い意志の込められた葵くんの真っ直ぐな声に、風谷くんは大きく息を吐き出した。