【完】ねぇ、もっと俺に甘えてよ?


「葵くんも、借り物競争頑張ってね……」


「やだよ。めんどくさい」


「だ、ダメだよ!みんな優勝目指して頑張ってるんだからね。それに、借り物競争は爆弾が仕掛けられてるみたいだし……」


「は?なにそれ」



やっぱり葵くん、種目決めの時、寝てたんでしょ……。



爆弾について話しながら待機場所へと戻ると、



「だーかーらー!わたしがもう一回振り付け教えてあげるって言ってるでしょう!?」


「もう覚えたって言ってんだろーが!」



ギャーギャー言い合いをしているふたりの姿があった……。



「海ちゃんと風谷くん……!?どうしたの、喧嘩!?」



ていうか、ふたりって知り合いだったの?



「あっ、空聞いてよ!この75点男がね!」


「っ、だ、誰が75点だよ!いい加減その呼び方やめろ!」


「あの、もしかしてふたりは……」



と、いがみ合うふたりに私が問いかける。



「同じダンスグループなの!振り付けの確認してたんだけどね!?75点が間違えてるから、教えてあげるって言ってるのにさ!」



ああ、やっぱり……。

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