【完】ねぇ、もっと俺に甘えてよ?
「教えてくれなんて頼んでねぇよ。だいたい、雪永みたいに踊ったら肩外れるっつーの!」
それは否定出来ない私がいる……。
風谷くんは、ふんっ!とダンスグループの輪の中へと消えていった。
「もーっ!せっかく動画見て覚えたのに!」
「海ちゃん……もしかして、風谷くんに教えてあげるために覚えたの?」
ま、まさか……ね?
「なっ……!わ、わたしが75点に惚れるわけないじゃない!」
海ちゃん、惚れてるとは聞いてない。
しかも、ガッツリ顔に出てるんだけど……。
「張り切ってたのって、実はそういう理由だったんだね」
焦る海ちゃんが可愛くて、ついついクスッと笑うと、顔を真っ赤に染めた海ちゃんは風谷くんを追いかけていった。