【完】ねぇ、もっと俺に甘えてよ?
「ありがとうございます……結果は2位だったんですけど」
実は決勝で、八雲先生のクラスに負けちゃったんだ。
「俺のクラス負けるかと思って焦ったよ」
「つ、強すぎますよ、八雲先生のクラス!」
特にリーダー的存在と思われる力士みたいな男子がいたけど、あれは卑怯でしょ……。
存在だけでおじけずくって。
「優勝狙ってるからね。俺も頑張るよ」
「え?八雲先生が?」
「あれ?借り物競争は、各クラスの担任も参加型なんだよね。知らなかった?」
え……!?
爆弾があるとは聞いていけれどその情報は初耳だ。
「俺、負けないよ?」
「優勝目指して、頑張ってくだ……」
応援の言葉を言おうとした直後、八雲先生が私の耳元に唇を近づけた。
「葵くんに、ね?」