【完】ねぇ、もっと俺に甘えてよ?
え……?
クスッと意味深な笑みを零すと、八雲先生は颯爽とグラウンドの中へと消えていった。
どういう、意味……?
いくら考えても理解出来ないまま、借り物競争がスタートした。
「爆弾に当たったら、さすがに最下位になりそうじゃない?」
「お願いっ!!八雲先生に借りてもらえますよーに!」
「葵くんがもし爆弾ひいちゃってもいいように、わたし待機してるわ!」
待機場所では人気者の八雲先生と葵くんが出るとなって、黄色い声が飛び交っている。
私のクラスと八雲先生のクラスの差は僅差だった。
「ちょ……っ、マジ!?これベストショットじゃん!!」
海ちゃんが興奮気味に立ち上がった。