【完】ねぇ、もっと俺に甘えてよ?
一身上の都合……と、全校集会で知らされた突然のことに、学校中に衝撃が走った。
女子の大半はガッカリした様子で肩を落とし嘆いていた。
まるで失恋でもしたかのようにショックを受ける女子も少なくはなくて。
私は、と思う。
八雲先生には、きっともう会うことはないだろう。
「本当にいいの?学校側に報告しなくても」
私は小さく頷いた。
八雲先生がしたこと全てを許せるわけじゃない。
もう大丈夫……と言えるほど私はまだ、大人じゃないけれど。
「先生も、ずっと苦しかったと思う……」
痛いくらいに、それだけはわかるから。
「同情とか、哀れみでもないよ。そうすることでしか自分を保てなかったんだって」