【完】ねぇ、もっと俺に甘えてよ?
葵くんは私の護衛となる本当の経緯を話してくれた。
「雨野と同じクラスになってすぐ、先生がここの教師だってことも知ったよ」
それから葵くんは、私が海ちゃんと話していたことを聞いて、お父さんと連絡を取り、会いに行ったのだと言った。
「雨野を守りたいって思った。だから、俺を信用して任せてほしいって言ったんだ。それに先生の憎しみは、もしかしたら俺の家族に向いてたかもしれないから……」
人の憎しみは、いつ、どこに向けられるかわからない。
葵くんは言っていたよね。
これは俺の問題でもある……って。
そして、美雨ちゃんのためにも、と。
ふと、今頃になって実感みたいなものが湧いてきた。