【完】ねぇ、もっと俺に甘えてよ?
「俺は残念だけどね。学校じゃ見れない雨野の顔、もっと見たかったし?」
イタズラっぽく笑う葵くんに、小さく胸が高鳴った。
「な、なにそれ……」
「俺、好きだよ。雨野の笑った顔」
「……っ、」
まさかの不意打ちに顔が熱くなっていく。
「だからもっと見せてよ?」
芝生に手をついて、ずいっと身体を寄せる葵くん。
───ドキッ
「や、やだよ……っ、お願いだからこっち見ないでってば!」
「ダメ。そんなの許さない」
「っ、」
言葉通り、意地悪な笑みを浮かべる葵くんの手は私の頬にそっと触れた。