【完】ねぇ、もっと俺に甘えてよ?
「……っ、」
まるで夢のような未来を映した葵くんの瞳を見つめて、やっぱりまた、泣きそうになる。
こうやって、葵くんはいつも、私の心を優しさで包んでくれる。
「ねぇ、葵くん。それって何年後……?」
「意外と早かったりして?」
ゆっくりと私に腕をまわして抱きしめる葵くんに、
「私、そんなに待てないかもよ……?」
なんて……ちょっと仕返ししてみせる。
「は?ダメだよ。他の奴にはあげない」
葵くんはギュッと私を強く抱きしめると、耳元で優しく囁いた。
「───好きだよ、空」
青く澄んだ空の下。
もう一度、
とろけるようなキスが、降ってきた。
*fin…*