【完】ねぇ、もっと俺に甘えてよ?



その手紙とは、高校入学当時から突然、家のポストに届くようになったのだ。


“ 8年前の罪を忘れるな ”


切手もなにもなく、そう書かれていた。

とても達筆に。


不定期に送られてくる手紙は不気味だったし、最近じゃ誰かに見られているような気もする。



「心配しないで空。その件は、お父さんだって気にしていたから」


「っていうと……?」


「お父さんが一番信用している“ 彼 ”に頼んであるの」


「……か、彼?」



警察仲間の大人の人とかに見回りを頼んだとか……?



「空と同じ歳の子なんだけどね。1ヶ月、一緒に住んでしっかり空のことを護衛してくれるって、本人もお父さんと約束してくれたのよ」



……今、なんだって?

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