シャンパンパレード
「だいたい花折くんが悪いのよ、あんな依頼引き受けたりするからっ」
ふんっと鼻を鳴らしてぷりぷりとラブ先輩は先を足早に歩いて行ってしまいました。
もちろん僕らはその後を慌てて追いかけるのですが…
ラブ先輩が言った“あんな依頼”、
それはつい先日の事でした……---
『私、痩せたいんですっ!!!』
ラブ先輩が用事があって不在だったある日の放課後のことです。
いつものように部室前に置かれたポストの中身の依頼の手紙を読んでカレンダーにチェックの○印を付けていた時、
ドスドスドスッと床が揺れた思いきやまん丸雪だるまのようなスチャイルをした彼女がやって来て『痩せたいの!本気で!』と真剣な面持ちで僕らに言って来たのです。
『あっ、すみません。依頼ならポストに手紙を入れてからではないと…』
『痩せたいんですっ!』
『あぁっ、ですからポストに…』
遠くから見ても結構大きいなと思いましたが近くに来られるとよけいに体格に迫力がある。
女性には失礼だと思いながら僕は思わず彼女の勢いに恐怖を感じて後退りしてしまいました。
だって怖かったからっ!