シャンパンパレード
「こんなの着てたら目立つじゃないの…」
「一髪でどこの部か分かって良いじゃないですか」
「笑われるわよ、絶対!嫌だ私着たくないっ!もう一回作り直し…て……」
そこまで文句を言ってラブ先輩は1番下に入っていた一回り…いや何回りもでかい無地のジャージを見てポカンと目を・にされていました。
「これ大き過ぎない?」
「それじゃねぇと食谷さん着れねんだよ」
「あぁ大丈夫ですよ。依頼者用のジャージにも一応♡マークは入れておきましたから」
「いや、それはどうでも良い。じゃなくて…食谷さんって一体どんな体系してんのよ?」
「それは…
こんな体系です」
ダイエット実行1日目の月曜日の放課後。
食谷さんを紹介すると想像してたより体格の良い彼女を見てラブ先輩は失礼にも関わらず唖然とされていました。
一方で食谷さんは憧れのラブ先輩を目の前にしてはわわわわわ〜っ!と感激の涙を流されておりました。
「(あ、あ、憧れの貴船先輩が目の前にっ!)」
「な、なんなのよ、この子…。私の顔になんかついてるの?」
ドン引きするラブ先輩。
「くあぁ〜っ、久しぶりに走ってやっか!」
中学時代陸上部だったユウちゃんはなんだかやる気に満ちていらっしゃいます。
まぁ彼の場合、ダイエットよりただ運動が好きだからやる気が出ているだけなのでしょうがね。
グラウンドの上、他の部の方に邪魔にならないようピッピッピーとホイッスルを鳴らして先頭を走る僕の後ろを皆がついて来ました。
「なんで私まで走らなきゃならないのよ〜っ!」
ラブ先輩は相変わらず文句を言ってましたがそれでも一緒に走ってくれるからやっぱり優しい。