愛の形
当時の俺は、その賑やかさが煩わしく
ことあるごとに
サッカーや野球をしに外へ出る。

ただ、決まった曜日に
彼女の姿があるのを知り
その時だけはリビングでゲームをする。

そんな毎日を、過ごしていたある日。

彼女が来る時間になっても、現れない。

時計とにらめっこも飽きたので、
外へ出ようと家のドアを開けると
泣いてる彼女がそこにいた。

失礼だが…凄く綺麗だ…

目が離せなくなり、その姿を見つめていると
俺の気配に彼女は気が付いた。

「みんなには、内緒ね」

そう言って、涙をぬぐい
俺の頭を軽く撫で家の中へ。

胸が、いつも以上に熱くなったのを
今でも覚えている。

< 2 / 14 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop