わたしには刺激が強すぎます。
キーンコーン……
いいタイミングでチャイムが響いた。
本日2度目の絶望の音。
昼休みが終わってしまったようだ。
いつもなら昼休みまで耐えるのが精一杯なのに、自分が空腹なことにさえ気が付かずに時間が過ぎていた。
尚くんはすっと立ち上がった。
嫌味な程長い足は、制服越しでも細いことがわかる。
私も合わせて立ち上がると、シワになったスカートを叩いた。
「…つーか菅原、恋愛したことないでしょ。」
「なっ」
バレた…!
私は、見透かされた胸を隠すようにポーズを取る。
「菅原のその気持ちは恋愛じゃないよ。」
「そんなの、私にしかわからないじゃん!」
何度見ても、慣れない。
尚くんの綺麗な目が、私を捕らえる。