わたしには刺激が強すぎます。
「保健室から全然帰ってこなくて心配して行ってみりゃいないし?5限目の途中でなぜか木下と戻ってくるし?」
「ごめんね本当…」
「昨日あたしバイトで話す時間なくて、やっと今。」
空になったパンの袋を細く畳んで結んだゆりちゃんは、横目で私を見る。
「キスシーン目撃して、好きになって、告白したって…桃子。怪談話なの?これって。」
「違うよゆりちゃん私は大真面目だ。」
そう、私は大真面目なんだ。
眉をキリッとさせると、ゆりちゃんに叩かれた。
「…あんたも知ってるでしょ?木下尚の色んな噂。」
すっかり呆れ顔のゆりちゃんは細い脚をスッと組みなおし、指折り数え始める。