わたしには刺激が強すぎます。
気が付けば、手元のたまごサンドはもうあと一欠片。
一口で食べるには少し大きいサイズだったけど、欲張りな私は無理矢理口に押し込んだ。
「で、どうやって木下を振り向かせるつもりなの?」
「いやぁ、それが結構難しくて。」
そう。そうなの。
私は今まで、尚くんとあまり話したことすらなくて。
だから今日は、頑張って会話しようと試みた。
だけど尚くんはやっぱり寝てることも多いし、休み時間は相変わらず姿を消して。
結局ゆっくり話せなかった。
「当たり前だわ、あのフェロモン女を転がしてた男なんでしょ。そんな奴、あんたには攻略できないって」
「そりゃあ手強いけどさぁ…」
思案を巡らせていると。
「なんの話してんの?」
ゆりちゃんとの私の間に低い声が降ってきた。
男の影がベンチに掛かり、上を向く。