わたしには刺激が強すぎます。
「…げ。」
「なんだよその声。」
そう言って、私たちの正面へ回ってきた男は─── 清水真琴。
私の幼なじみだ。
「何しに来たの、真琴。」
「さっきお前の担任に、これ渡しとけって頼まれたんだよ。」
「げ、提出し忘れてたプリント…!」
一見すると黒髪の爽やか少年に見える真琴だけど、口を開けば台無しだ。
バシッとプリントで私の顔面を攻撃すると、眉間にシワを寄せ、吐き捨てた。
「ほんとお前はどんくせぇ」
…さっきの言葉、撤回する。
見た目が爽やか少年に見えるのなんて一瞬だけ。
パッと見だけ。
新幹線で通り過ぎたらそう見えるかな?ってだけ。