わたしには刺激が強すぎます。
長い前髪から覗く冷め切った目と、無駄に高い身長。
こちらを見下ろす高圧的な態度。
完全に、チンピラだ。
「で、なんの話してたんだよ」
チンピラは、当たり前のことかのように私の隣へどかっと座った。
そんなに大きくないベンチだから、ぎゅうぎゅうだ。
「真琴には関係ないし。」
私は唇を尖らせて、知らんぷりの態度を決め込もうとしたけれど。
「桃子、好きな人できたんだって。」
「なっ、ゆりちゃ」
隠そうとしたことは、一瞬でゆりちゃんにバラされてしまった。
隠せる自信なかったけども…!