わたしには刺激が強すぎます。


尚くんに寄ってくる女なんか、たくさんいて。
私もただのその中の1人なわけで。
しかも、ちんちくりんで。


『禁断の恋より、ドキドキさせてみて。』


あんなの、諦めの悪い私を静かにさせるために言っただけだったのかもしれない。


ぐるぐると思考を巡らせると、じわり、涙が溢れてくる。
やっぱり自信なんてもう、ない。


そんな私の耳を通ったのは、尚くんの声だった。


「ごめん」


やっぱり、私なんかじゃ振り向いてもらえないよね…。
一歩下がろうとした、その時。


尚くんは自分に絡みつく女の肩を、押し返した。

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