わたしには刺激が強すぎます。


「ちょっとこの人と2人にしてほしい、ごめん」


そう言った尚くんの指が、私を向いている。


「は!?」

「…ごめんね。」

「意味わかんない…!」


女は立ち上がると、こちらを睨み付け「尚のバカ!」と捨て台詞を吐き捨て、部屋を後にした。
勢いよく閉められたドアの音が、静かな部屋に響く。


何が起きたのか、理解するまでに少し時間がかかった。
だけど2人きりになったこの状況。
締め付けられていた胸が徐々に解放されていく。


だけど、なんで私と2人にしてほしかったんだろう。


もしかして今から、正式に振られるの?
それとも、こんなところまで付き纏うなって怒られるの…?

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