わたしには刺激が強すぎます。


なんでって、そんなの、好きなところはたくさんあるけど。
尚くんがあまりにも真っ直ぐこっちを見るから、私は口籠る。


「えっと、」

「禁断の恋が好き、とか言ってる変な奴だと思わなかったの?」

「変…ではあると思うよ」

「素直か」


私はすっかり冷めた紙コップを、ぎゅっと握った。


「だけど私だって、キスシーン見て好きになっちゃったわけだし。…変でしょ?」

「うん。変。」

「だから別に、恋愛は人それぞれといいますか、」

「恋愛したことないくせに」


尚くんは、ぶはっと吹き出した。
その笑顔はいつも通りのもので、私は胸を撫で下ろす。


…やっぱり私は、笑ってる尚くんが1番好きだ。

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