冷酷王子は子リス姫を愛でる
妬くだなんて。



そんなことあるわけないわ。



殿下が欲しいのは私の力だもの。



「アレン」

「さてと‼︎昼にするか‼︎リーナ、新しくできた兵士の訓練場の食堂で一緒に食べようか」



殿下の一声で、慌てて立ち上がったアレン様が、リーナの腰に手を回した。



リーナの顔は真っ赤で、いつもの柔らかい笑顔が消えている。



「わわわわ、私などと一緒にお昼だなんて‼︎」

「日頃殿下が迷惑かけてるからね。労いだと思っていいよ。では、失礼しまーす」



アレン様って、絶対殿下と仲良し…。



ふたりの関係は、たまに『友人』の部分が顔を出すから。



いいな、お友達。



「楽しみにしていた」

「あっ‼︎お口に合えばいいのですが…」

「お前は食べないのか?」

「私はたっぷり味見させていただいたので、お腹いっぱいです‼︎」

「ははっ、なら、いただこう」



ソファーに移動した殿下の前に、料理を並べた。



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