冷酷王子は子リス姫を愛でる
いつも『お前』って言うのに。



顔が熱くなるじゃない。



「これはオムレツか?」

「まぁ、そんなものです」




カニ玉も美味しいと言ってくれて、大量にあったテーブルの上のご飯たちがあっという間になくなった。



殿下、実は大食い…?



お茶をいれながら、殿下を盗み見ると、目が合ってしまった。



「で、殿下は甘いものは平気ですか?」

「得意ではないが、出されれば食う」

「なら、やめておきます。味見もしてないし」

「何を作った?」

「デザートを…。リーナがイチゴをシェフからもらってきたのです」

「持ってきてくれ」



お茶を殿下の前に置き、イチゴムースを手渡した。



受け取った殿下に、グイッと腕を引っ張られる。



「わっ‼︎」

「やっぱり、腹がいっぱいで入らないな。これはお前が食べるといい」

「で、殿下⁉︎下ろしてくださいっ‼︎」



なぜ、殿下の膝の上に座っているの、私…。



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