冷酷王子は子リス姫を愛でる
スーッと顔色が戻るのを感じた。



うん、大丈夫そう。



「相変わらずすごいな、お前の力は」

「呼んでくださればよかったのに」

「国に戻っていたキャシーの侍女が来たと報告があったからな。積もる話もあったのだろうと」

「そんな気遣いは不要です‼︎殿下は殿下のお体のことをお考えになってください‼︎」

「はははっ、怒られているのか、俺は」

「あっ、すみません…」

「で?それは?」

「あっ、ジョアン…侍女が国からお魚を持ってきてくれたので作ってみたのですが…」

「夕食が食えなかったので、ちょうどいい。少し飲むか」



ドアへ向かった殿下は、ワインを頼んでいた。



しばらくして、メイドさんが運んできてくれて。



グラスが…2つ…。



「お前と飲むのは初めてだな」

「私、お酒をいただいたことが…」

「ないのか?なら、ぜひ飲んでってくれ。どうなるか見てみたい」



そんなこと言われても、不安しかない。



お酒に弱い父が、ヘロヘロになって裸で踊り出したことがあったのだ。



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