冷酷王子は子リス姫を愛でる
朝は基本的にアレンが起こしに来るのが決まりだ。



「殿下、朝ですよー」



小声で起こされ、目を覚ましたのに動きたくない。



だって、キャシーが俺に抱きついて寝ているのだから。



手を上げただけの返事で、アレンが出て行った音がした。



チュッと頭におはようのキス。



いつになったら起きる?



早くリスのような目を開けて、現実を確認してくれ。



一緒に眠ったんだぞ?



少しだけでもいい。



キャシーの記憶に残したい。



「キャシー、これでは起きられないのだが、どうしたらいい?」

「んっ…」

「寝ているところ悪いな。そろそろ起きてくれないか?」

「アンドリュー…様…?えっ⁉︎なんでっ⁉︎」

「ここで寝てしまったから、そのままにした。よく眠れたようだな」



慌てたキャシーが、一瞬で俺から離れて、状況を確認している。



キョロキョロした後、自分の服装が変わっていることにやっと気がついたようだ。



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