冷酷王子は子リス姫を愛でる
警備にリーナを頼み、自分も着替えるため、いつものように脱いでしまった。



「アンドリュー…様…」



まずい、と思った時には目が合っていて、俺の落書きだらけの身体を、キャシーに見られてしまった。



うっかりしていた。



それに、明るい。



きっと、バッチリ目撃されているに違いない。



「それ、魔法の陣に見えるのですが…」

「あぁ…」

「そんなに苦しんでたんですね…。痛くはありませんでしたか?」

「痛かった、な…」

「もっと早く、あなたに出逢いたかった…」



なんでお前が後悔するんだ。



あの時、お前が俺に触れなければ気づきもしなかったというのに。



「これが、俺の生きてきた人生だな…」

「これからは私がそばにいます‼︎苦しい思いは、させません」

「ありがとう」



たまらずに抱きしめた。



こんなにキレイな心の持ち主に、俺は会ったことがない。



素肌で抱きしめたキャシーは、慌てふためいていた。



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