冷酷王子は子リス姫を愛でる
2日後、アンドリュー様が出発する前に、私と他の婚約者たちが見送りに出た。



今回は、前回のようなマリアンヌ様のお言葉がない。



私が…挨拶しなければならないの?



「アンドリュー様、道中お気をつけて」

「あぁ、キャシーも大人しくしておけよ?」

「なんですか、大人しくって…」

「はははっ、ちょっといいか?」



近くに呼ばれると、たくさんの人の中で抱きしめられた。



なんで今するの⁉︎



「お前の力がまだ俺の中にあるようだ。調子がいい」

「それは…よかったです…」

「だが、長旅になると不安になる。力をくれないか?」

「それなら、喜んで」



そうだよね。



さすがに2週間は不安になって当たり前だ。



手を握って魔力を込めようとした。



「アンド…リュっ…」



抱きしめられてるだけでも恥ずかしくて顔から火が出そうなのに‼︎



どうして、こんなに大勢の前でキス⁉︎



しかも、あの時と同じ…濃厚なのを。



「ちょっ…」

「ん、助かった」

「なん…」

「これがいちばん、お前の魔力をもらえるのだ。知らなかったのか?」



知りませんよっ‼︎



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