冷酷王子は子リス姫を愛でる
執務室の中にはアンドリュー様、アレン様、それとリオ王子がいた。



「失礼します」

「悪いな、来てもらって」

「いえ、お城の中を少しでも覚えなきゃと思いまして」

「はははっ‼︎からかいがいがあるヤツだな、キャシーは」



体調もよさそうだし、なにより楽しそうに笑った顔が私を癒す。



朝にも会ったのに、長い間離れていた気分…。



「なになに?兄上に差し入れ?」

「あっ、リオ王子、ちゃんと挨拶をするのは初めてでございますね。マリーナル王国、第二王女のキャサリンと申します」

「正妃さんね、兄上の。知ってるよー?城内の噂の的だしね」

「噂の…?」

「あの氷の王子がデロデロに甘やかしてるって、もっぱらの噂ー」



そんな噂が⁉︎



やっぱり、あんなところでキスなんかするから‼︎



アンドリュー様を睨むと、口元を書類で隠した。



絶対楽しんでる‼︎



「リオ王子、アンドリュー様がくださったキノコでおにぎりを作りましたの。召し上がってくださらない?」



あげないんだから‼︎



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