冷酷王子は子リス姫を愛でる
アレン様も食べてくれて、だけど残りはまだあるのだ。



「キャシー、陛下に持っていってもいいだろうか」

「はいっ⁉︎国王陛下に…わたしの手で握ったおにぎりを、ですか⁉︎」

「ショーユをこの国でも作る計画があるんだが、その調理法の幅の広さを、俺だけじゃ伝えきれないのだ」

「ショーユを、作るのですか⁉︎」

「あぁ、そのために、マリーナルへ行っていた」



まさか、マリーナルへ行った目的がショーユの製造計画だったなんて…。



ものすごく、嬉しい…。



「あぁ、これなら父上も納得するかもね」

「おい、食い過ぎだ」

「腹減ってんだもん。めっちゃうまいし。アレン、もうひとつどう?」



おにぎりを奪い合っている…。




もっと作ればよかったわ…。



「今すぐに、他にはどんな料理が作れる?」

「お野菜があれば煮物…、お魚はないのですよね。なら…お肉で生姜焼き?」

「どれも食ったことがないではないか」

「つ、作りましょうか?」

「予定がなければ、少し俺の計画に付き合ってはくれないだろうか」



それって、私…頼られてる⁉︎



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