冷酷王子は子リス姫を愛でる
嬉しくて、もちろん返事は決まっている。



「では、キャサリン様。厨房へ案内いたしますのでついて来ていただけますか?」

「はい。あっ、アンドリュー様、一口だけでも召し上がってください。栗で作ったケーキです」



忘れるところだった。



ケーキを置いて、部屋を後にする。



部屋の外の警備さんたちの手には、さっきのおにぎりがない。



「どう、でした?」

「はい‼︎大変美味しくいただきました‼︎」

「よかったぁ」



口をぽかんと開けたアレン様が、『殿下に知られないように』と、小さく言っていた。



どうして?



怒られるようなことしてないよ?



「ダメ、だったでしょうか…」

「いえ、それがあなたのいいところ。しかし…殿下が妬きますので」

「えっ…?」

「リオ王子からおにぎりを奪ったの、見ました?殿下、滅多に人前で闇魔法は使わないのですよ?それを惜しげもなく…しかも食べ物を先に食べられたくないという理由で使ったなんて、とんでもなく嫉妬してるってことですよ…」



呆れたように言ったアレン様だったけど、少し嬉しそうにも見えた。



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