冷酷王子は子リス姫を愛でる
厨房へ着くと、全員が手を止めて頭を下げる。



私も慌てて頭を下げるけど、アレン様にやめてくれと言われたのですぐに頭を上げた。



「料理長、お話が」

「な、なにかございましたでしょうか⁉︎」



慌てた様子の料理長は、コック姿が似合うガッチリ体型の中年男性だった。



この方がいつも食材を分けてくださってる方…。



「いつも美味しい料理と、食材をありがとうございます」

「なっ⁉︎あなたは…キャサリン様でございますか⁉︎」

「えぇ、感謝しております」

「とんでもないっ‼︎未来の正妃様にならどんな食材でも準備させていただきますので‼︎」



それからアレン様が、ショーユを使った料理を作って欲しいと料理長に伝えたが、使い方がわからずに困っているとのことだった。



だから私が呼ばれたのね。



「私の国ではショーユは常に食卓にあるものです。微力ですが、多少料理の知識もございます。ひとつ、作ってもよろしいですか?」

「ぜひ、お願いします」



後ろに控えていたリーナがエプロンをくれた。



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